ねえちゃん




ノックして部屋に入ると、ねえちゃんはすっかりお色直しを終えて今度は鮮やかなオレンジのドレスに着替えていた。



「なんかそっちの方が似合う」



入るなり失礼な事を言った俺に、ねえちゃんは笑いながら「そう?」とだけ言った。



「オレンジの方がねえちゃんらしいよ。さっきはなんか他人みたいだった」



俺がそう言うと、ねえちゃんは目を丸くした後、困ったような顔でクスクス笑いだして



「何言ってんの。ねえちゃんはねえちゃんでしょ。

どんな格好しててもお嫁に行っても、あんたのねえちゃんには変わり無いよ」



そう言った。






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