ねえちゃん




「……うん」



「やーねえ、あんたまた泣いてるの?」




滲んできた涙を拭った俺に、ねえちゃんは呆れたように笑った。



「しっかりしなさいよ。これからは貴文が父さんと母さんを支えて行くんだからね」


「分かってる。大丈夫」


「本当に~?弟がベソっ掻きじゃねえちゃん安心して嫁にいけないよ?」


「大丈夫だってば。

後のコトは俺に任せときなって!」



そう言って、俺は目を丸くしたねえちゃんと顔を見合わせて笑いだした。



「あはは、やだ、それ私の口癖じゃん」


「ははは、ホントだ。無意識に言ってた。やっぱ姉弟だからかな」




可笑しそうに笑うねえちゃんの目尻には涙が浮かんでいて。




俺は、その涙をマスカラが落ちないように気を付けながら自分の指で拭ってやると






「…おめでとう、ねえちゃん」





大好きなねえちゃんの幸せを、

心から祝福した。












~~fin~~


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