ベッドから始まる恋。
「ハルー、先にこれ3番テーブルに」
「はーい」
『ハル』と呼ばれるその彼はウェイターとしてはとても優秀な人で、親切で丁寧で、すごく優しい。
それは、誰にでも。
「こちらレモンティーです」
「ありがとー。お兄さん、格好良いね。モテるでしょ」
「いえいえ、全然。そんなこと言ってくださるのお客様だけですよ」
「またまたー…」
私たちの席から少し離れた先の席でそう年上っぽい女性に声をかけられている彼に、思わず私たち三人の視線は向く。
「…うわ、また客に声かけられてる」
「しかもそれを丁寧に交わしちゃうんだもんね〜」
「……」