ベッドから始まる恋。
客に、スタッフに、みんなに優しい人。当然そんな彼に周りの人は惹かれる…けど。
「どうせあんなの、仕事用の演技よ」
私は今日も冷ややかな目で、その姿を見つめる。
「えー?そうかなぁ?」
「そうに決まってる。ああやって外面いい奴ほど最低なのよ。絶対」
「出た、霞の優男アレルギー」
はは、と笑う碧に私は不機嫌な顔のままオムライスを食べ始めた。
そう、私はアレルギーと言われても否定できないくらい、優しい男が嫌いだ。
絶対演技だし絶対何か裏がある。外で優しいからって普段も優しいとは限らないし、胡散臭い。それらの理由から、心底嫌いだ。