ベッドから始まる恋。
「そんなことないと思うけどなぁ」
「ある!あるの絶対!」
「そんなこと言ってたら、アンタこの先一生彼氏出来ないわよ?」
「出来なくてもいい。一生独り身でもいいように貯金もしっかりしてるし」
「うわ、本気だこの子」
人の優しさは信用出来ない。
けど何よりも一番、男の優しさが信用出来ない。
優しさばかりを夢見て痛い目を見たことのある私は、24年目の人生にしてそう知った。
「どうかした?」
そう話していると、コーヒーを持ってこちらのテーブルへやって来たのは、噂の主である彼。
その顔は心配そうにこちらを覗く。