二面相
第1章 黒い椅子
「いっそのこと 別れてしまってはどうですか?そのほうが あなたのためだと思いますよ−−−」






窓から差し込める 木漏れ日が 横顔に当たり、少し 気恥ずかしい。


心療内科の診察室。


医師と二人きり。




私に用意された椅子は、きっと リビングや書斎にあれば、何時間もくつろぐことができるであろう、座り心地のよい椅子であった。




私はその椅子にちょこんと お尻の半分をひっかけるようにして座る。何だか落ち着かない。



目の前で患者と向き合いもせず、机に向かって座る医師に相談をするのだ。



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