二面相
「なあ、大樹。『反面教師』って言葉知ってるか」
無関心を装っていた 大樹が 兄を見る。
「何それ?」
「絶対に ああいう風になるまいと 思う見本の存在の ことを いう言葉だ」
「ふーん。それが 柏木くん?」
「ほら、麻子。大樹も わかっているじゃないか」
「いい加減にしないか!」
孫と 遊んでいた父が 兄を注意した。
「そんな男がいたなんて、知らんかったわ、麻子」
食器を下げながら、母が愚痴る。
「お母さんは いつも後になって聞かされる。娘なら、まず一番に母親に相談するでしょう。ねえ、美紀さん」
「そうですね。普通は」
イチイチ カチンとくる義姉だ。
「ねえ、ボクのお父さんって、どんな人?生きてるの、死んでるの?」
大樹の言葉に 私は 驚いた。この子が 父親のことを聞いたのは、後にも先にも、これが初めてだった。
「麻子、話しとらんのか?」
無関心を装っていた 大樹が 兄を見る。
「何それ?」
「絶対に ああいう風になるまいと 思う見本の存在の ことを いう言葉だ」
「ふーん。それが 柏木くん?」
「ほら、麻子。大樹も わかっているじゃないか」
「いい加減にしないか!」
孫と 遊んでいた父が 兄を注意した。
「そんな男がいたなんて、知らんかったわ、麻子」
食器を下げながら、母が愚痴る。
「お母さんは いつも後になって聞かされる。娘なら、まず一番に母親に相談するでしょう。ねえ、美紀さん」
「そうですね。普通は」
イチイチ カチンとくる義姉だ。
「ねえ、ボクのお父さんって、どんな人?生きてるの、死んでるの?」
大樹の言葉に 私は 驚いた。この子が 父親のことを聞いたのは、後にも先にも、これが初めてだった。
「麻子、話しとらんのか?」