イジワルするのはキミ限定*
「キミって、やっぱりバカなの?」
カタンッと音を立ててイスに座り、私はその水沢くんの前に立つ。
そして水沢くんのいちばんめの言葉は、やっぱり『バカ』だった。
そんなハッキリ言わなくても……。
「僕、靴箱に入れろって言ったよね?」
「はい……」
「なのにキミは、約束を破って校條のところに行った」
「はい……」
「命令1、覚えてる?」
「『水沢くんの言うことは、全部聞く』です」
「守れなかったよね?本当……バカ、アホ、ドジ、マヌケ、世界1バカ」
あれ、なんか今『バカ』が2回あったような……。