【完】うしろの席のオオカミさん
離れようとしたその時、急ブレーキがかけられ前のめりになり、背中におでこを思い切りぶつけた。
い、痛いーっ!!
涙が出るほど痛いよー……っ!
「あ、悪い。猫がいきなり…」
「猫ぉ?」
猫がなによ?
大上くんの背中で前はなにも見えない。
横に顔をずらして見てみると、
「猫の……親子?」
二匹の猫が怯えてる感じにこちらを見ていた。
子猫それよりひとまわり大きい猫。
見たところ親子のようだ。
色も似てるし。