【完】うしろの席のオオカミさん


「あ、あの……センパイ、受験が終わったと聞いたのですが…」


「あぁ、うん。もう決まったよ」


「そうなんですか!おめでとうございます!」




可愛らしい声と落ち着いた低めの声。


声だけでは誰だか分からない。
でも、男子の方の声はどこかで聞き覚えのある声だと思った。




「あの……っ!私、ずっと水瀬センパイのこと好きでした」




告白現場というやつに初めて遭遇してしまったわ。


なんでわたしがこんなにドキドキしてるんだろうか。変でしょ。



口は押さえられたままの状態で息を潜めて二人の会話に耳を傾ける。



……だって、気になるじゃん。



< 129 / 266 >

この作品をシェア

pagetop