【完】うしろの席のオオカミさん
どうしても目の中に入ってしまう一番前に座る水瀬くんの背中。
文化祭以来なんの接点もない。
目も合わないし。
絶対、誤解された。
大上くんが意味不明なことを言ったせいだ。
俺の彼女、なんて言って。
キスまでして。
水瀬くんのこと今も好きかって聞かれたら数秒考え込んでしまう。
好きかなんてわからないけど
嫌われたくはないと思うんだ。
先生が教室から出て行ったのと同時にわたしは席を立った。
話しかけないでって言ったのに。
嫌いって言ったはずなのに、なんで?
一種の嫌がらせか?