【完】うしろの席のオオカミさん
んーっ……疲れたなぁ。
そろそろ帰ろうかなー?
時計に目をやると自然に窓側の席にいる人も目に映った。
紙の上をシャーペンが走る音が聞こえる。
わたしのものではない。
毎週金曜日。
わたしと大上くんがこの図書室を独占している。
金曜日の担当の委員の人は少し顔を出してすぐに帰ってしまうのだ。
誰もいないカウンター。
返却をする人もいなければ借りる人もいない。
図書委員って暇そうだよな…
忙しい時は忙しいんだろうけど。
「……ん?あ、もう帰んの?」
二人で一緒に勉強しようなんてそんな約束するはずがない。