【完】うしろの席のオオカミさん


「一緒に帰ろ」


「へっ、なんで!?」



駐輪場にまでついてきた大上くんはいきなりそんなことを言った。



うわー…つい反応してしまった。

無視すればよかった……



「俺のこと駅まで送ってってよ。一人で帰んの怖い」



なんだその理由。

女子ですか、あなたは。


冷めた目を一瞬大上くんに向けてから鞄の中に視線を戻す。


んーと……自転車の鍵…自転車の鍵…っと、あったぁー!



「俺が乗る」


「ちょっ、えっ、待ってよ……!」


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