【完】うしろの席のオオカミさん
呼吸を整えながらよろよろとした足取りで校門の外に出る。
少ししか走っていないはずなのに1キロぐらい走った気分だ。
体力なさすぎ、自分……
「後ろ乗せてやろうかー?」
少し先に自転車にまたがったままの大上くんの姿を発見。
は……?乗せてやろうか?
それ、わたしのなんですけど。
じっと見つめてると大上くんはこちらに近づいてきた。
「わたしのことからかってそんなに楽しい?」
声、表情から怒ってることは明らかに分かるだろう。
「嫌いって言ったよね。もう関わらないでって言ったよね?なのに……なんで?」