【続】隣の家の四兄弟
「ぼくたちは、小さい頃に日本とイタリアと、って言葉にコンランした経験があるから。アキラは同じような人の手伝いがしたかったみたい」
「そっ……か」
自分のやりたいことが明確で有言実行しているアキラだから、あんなにも自信が溢れてて、真っ直ぐに立ってられるんだ。
……いいな。
素直に羨ましく、そう思った。
水切りカゴに、最後のお皿を乗せると、いつものクセで無意識に掛け時計に目を向ける。
見ればもうすぐ夜の9時。
それは、大体アイツがベランダに出る時間。
それに気付いた私は、そわそわとし始める。
この時間を逃してしまったら、明日までは顔を合わせられない、きっと。
だけど、チハルがいる手前、急にベランダに行くことも出来ない。
心ここに在らず。
そんな私に気付かれたのか――。
「あー、ミカ。ぼく、明日も撮影あるから、寝るね」
「えっ……?あ……うん」
こんなタイミング。
絶対、チハルってば私に気を遣ったよね。
ていうか、私って、やっぱりわかりやすいんだ。今は声に出してないはずなのに。
「おやすみ、ミカ」
「お……やすみ」
目尻に少しシワを作る笑い方。
屈託ない笑顔の王子に、一瞬目が奪われてしまった。