【続】隣の家の四兄弟
まるで本当の兄妹のように、朝からソファに二人並んでひとつの携帯を見て笑い合う。
さっきまで変な緊張してたけど、すぐにそんなのなくなった。
お母さんがいる時もあるけど、でも、こんなふうに近い歳の人と過ごすのとは違うから。
お兄ちゃんがいたらこんな感じかな、なんて思うとすごく楽しい。
まぁ、こんなイケメンのお兄ちゃんなんて普通あり得ないんだろうから今のうちに存分に味わってしまおう。
無邪気に笑うチハルの横顔を見ながらそう思う。
すると、その視線にまたもや気付かれたのか目を向けられる。
薄い黄色がかった茶色の瞳に見つめられて、思わず見惚れるように静止した。
静かな朝のリビングで、少しの間、私たちはなにも発さずにただ、視線を交錯させる。
うわ……すごいキレーな目……。
吸い込まれそうってこういうことなのかな。
真面目な顔のチハルは、いつものチハルとは違う人に見える。
整った顔の、ハーフの男の人。
まともに見るのって初めてかもしれない。
そんなことを思っていると、隣からまた賑やかな声が聞こえてきて。
「……トナリかな?」
「あ、うん。たぶん……それで私も起きたんだけど」
強制的にチハルと見つめ合ってた時間を終了させられると、心のどこかでホッとした。
……やっぱ、どっかで緊張してるみたいだ。