【続】隣の家の四兄弟
「ねぇ!セイジはいつ休みなの?!明日?」
「……なんで」
「っていうことは明日お休みなのね?!ふふ、ラッキー。わたし、明日もお休みなの!」
背中越しに聞こえてくる会話が、胸を苦しくさせる。
こういうときって、私が『そんなのダメ』って言っていいの?
でも、それって私が言うことなの?
聖二が言ってくれるものじゃないの……?
「セイジ、明日どこか行く?」
「――いや」
――どうしてさっき、アキラを庇うようなことをしたの。
「……あ。コウ、ごめん。呼び出されちゃった」
悲痛な思いでいると、突然隣のチハルが軽い口調で言った。
そして、くるりと私を見つめて続ける。
「ミカ、あとで出掛けるって言ってたよね?それ早めて、ぼくを待ち合わせ場所付近まで道案内してくれない?」
「えっ……」
「ほら、ココなんだけど」
私、「出掛ける」なんてひとことも言ってない……!
それに、チハルだって、今朝帰ってきたばっかりなんだから、呼び出されることなんてないんじゃ……。
戸惑っている私に、携帯を見せるようにしながらチハルは椅子を立つ。
「コウ。ごめん!いい?」
「仕方ないだろ。気にしないで」
「じゃ……ミカ〝借りるね〟?」
チハルの最後の言葉は、たまたまなのか、聖二に向かって言っていた。
私は椅子に座ったまま、チハルから聖二に視線を移す。
すると、聖二は何も言わずに、ただ黙ってチハルを見つめてた。