【続】隣の家の四兄弟


『チハル、あれからすぐに帰ったけど……どこかに遊びに行ってるのかもね』


お母さんの言ってたことを思い出す。
もうすぐ21時。だけどまだ帰ってこないし、なんの連絡もない。

お母さんに至っては、、早い時間に帰ってきたなと思ったら夜ご飯作ってたら、珍しくお父さんから連絡来て外食だって。
子どもの私だってそこに参加する権利はあると思うんだけど……。


『チハル帰って来るかもしれないし、美佳はお留守番ね』


なんてさらりと言い残して行っちゃった。


「はぁ……」


たった数日なのに、チハルがいないと静かなリビングにもの淋しさを感じたりして。

いやいや!そんなこと思っちゃ怒られるよ。
チハルにも……アイツにも。


時計を見上げてベランダを見る。
今日は会ってきたけど……。でも、やっぱりなんだか足が向いてしまう。

だって予感がする。

……たぶん、アイツが今頃そこにいる、って。


「……やっぱり」
「なにがだよ。つーか、また心の声出てるっつーの」


なんだかくすぐったい気持ちで、いつもの定位置に立つ。
今日、一緒にいたのがなんだか不思議な感覚。
それと、もうひとつ不思議……というか、信じられないようなことが。
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