【続】隣の家の四兄弟


「どこいくの?」とか、聞いてもいいかな。

でも聖二って、なんかそういうふうに詮索っていうか、探られるのって好きじゃないかな。

私はいつもいつも、ひとりだから。

だから、誰かと一緒に居たくて。
それが好きな人(聖二)なら、なおさらずっと傍に居たくて。

けど、そういう肝心な気持ちを意識して口にするのって、難しい。


私はただ、黙ってシャツを握りしめる。

聖二の視線は感じるけど、なんとなく顔をあげられなくて。


「……いつまでそうしてんの?」


沈黙を破ったのは、聖二のひとこと。
その言葉に、私はついに、手を離した。


「家にあがんねぇなら早くしろ」
「……え?」
「――――あほヅラしてんぞ」


不意に顔を上げた私の目に映る聖二は、目を細めて笑ってた。
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