製菓男子。
「ミツキ、女の子泣かせるの得意」
「コラ、人聞きのわるいこと言うんじゃない。お前だってそうだろ」
「そう?」
「お前もチヅルちゃんと一緒で自分の外見わかってないよなぁ。そればかりか、口下手なところも似てるし。俺、お前たちと喋っていると、父親になった気分になるんだよ」
「ミツキが父親だといや」
「俺だってこんなでっかい子供、いらねーやい」


わたしは「ふふっ」と笑ってしまう。
あまりにもふたりのやりとりがおかしくて、湯たんぽみたいに心地よかったから。


「その笑い方、たんぽぽの綿毛みたい」
「たんぽぽ?」


宮崎さんの言葉に、思わず聞き返す。


「なんとなく、くすぐったい感じ」


よくわからなくて、じっと宮崎さんの顔を見つめる。


瞳の中に、わたしが映っている。
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