製菓男子。
女性を魅了するらしい荒川さんは、太陽のような輝く髪色をし、清潔感のある肌の色をして、レモンシャーベットのようなさっぱりしたいい香りがする。
少し女性っぽい顔立ちなのだけれど、背が高かったり、手が大きかったり、パーツがしなやかにごつごつしていて、やっぱり男性なんだと実感する。
荒川さんの大きい手から伸びる、しっとり濡れた長い指。
その指に触れられると下腹部あたりがゾクゾクしてくる。
本人が意図してやっているわけではないのだと思うけれど、肌を食べ物かなにかと勘違いして、舐めるように触れるせいだと分析する。
おそらく彼に声援を送る人たちは、これも目当てのひとつなんだろう。
荒川さんはわたしを改造させていった。カット・カラーはもちろん、ヘッドスパ、睫パーマまで。
全ての工程が終わるとマッサージが行われ、終始わたしはゾクゾクするはめになる。
「大人の身だしなみなんだから、化粧くらい覚えろ」
そのあと荒川さんからメイクの指導を受けたのだけれど、あまりにもわたしが不出来だったため閉店時間を越えてしまった。
兄や製菓店のふたりまで加わり、背の高い男四人がこぞってわたしを見下す状況になる。
美容師のひとりが「うらやましい」とみずみずしい声をかけてくれたのだけれど、できるなら代わって欲しくて、涙が出そうになった。
少し女性っぽい顔立ちなのだけれど、背が高かったり、手が大きかったり、パーツがしなやかにごつごつしていて、やっぱり男性なんだと実感する。
荒川さんの大きい手から伸びる、しっとり濡れた長い指。
その指に触れられると下腹部あたりがゾクゾクしてくる。
本人が意図してやっているわけではないのだと思うけれど、肌を食べ物かなにかと勘違いして、舐めるように触れるせいだと分析する。
おそらく彼に声援を送る人たちは、これも目当てのひとつなんだろう。
荒川さんはわたしを改造させていった。カット・カラーはもちろん、ヘッドスパ、睫パーマまで。
全ての工程が終わるとマッサージが行われ、終始わたしはゾクゾクするはめになる。
「大人の身だしなみなんだから、化粧くらい覚えろ」
そのあと荒川さんからメイクの指導を受けたのだけれど、あまりにもわたしが不出来だったため閉店時間を越えてしまった。
兄や製菓店のふたりまで加わり、背の高い男四人がこぞってわたしを見下す状況になる。
美容師のひとりが「うらやましい」とみずみずしい声をかけてくれたのだけれど、できるなら代わって欲しくて、涙が出そうになった。