青い風のような貴公子たち
青春は陽炎のようなもの
青春とは陽炎のようなもの。夢を追いかけ、夢を追いかけふと気づくと、あたりは美しい夕闇に包まれていた。

1968年4月この物語の主人公演じる羽目になった男、野間タカシはよろけるようにして大学に入った。まったくふらふらの入学であった。一年浪人して入れず、2年浪人して7校受け最後の一校で拾われたのである。

父親は息子の大学合格を喜び、まるで東大に合格したかのように親戚中に言いふらし、親戚から金を借りて必死の思いで入学金を払った。もともと魚師で教養の無い父親は、大学出が神様のように尊い者に映っていた。
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