姫はワケあり黒猫様




ーーーー



「……うぅ…」



『起きた?』



コーヒーを飲みながら、薄く目を開けた成音の顔を覗き込む。





「……あれ、俺…」



『抱きついてから爆睡。



よく寝れたみたいでよかったよ』




柔らかい、元々色素の薄い茶色の髪を撫でる。




成音はさぁっと顔を青くしてごくっと喉を鳴らした。





「~~~~~っごめん‼」



『あははー。



うん、いいよ。





……何て優しい返事すると思ったかぁ‼』





バシッと頭を叩くと成音は「うぐっ」と声を発しながらソファに勢いのまま突っ込んだ。



『昨日忙しかったんだからね?!


各国の人たちが私を見て……』



「うん、ごめん、ごめん」




謝る気のない謝罪をして顔を上げる成音。





「昨日は大手企業が3件もあったし…」



『わかってて寝たのか馬鹿野郎』





「……眠かったんだもん」



だもんじゃねぇよ、だもんじゃ。



『もー、次からは会議の後に寝てよ?』




「わかってるよ」



成音は欠伸しながら頭を掻いて立ち上がった。




「コーヒーどこ?」



『そこに作ったあまりがある』




ビシッと指差した方向は作ってあるコーヒー。



「あまりって」と成音は苦笑しながら言ってたものの、いつものマグカップに注いだ。





『今日は、もう戻るの?』



「居たいところだけどね。



どうせ、昨日の件で殺到するだろうから待機かな」




『……そっか』





成音はズズッと音をたててコーヒーを飲みながら私を横目に見ながらソファに座り直した。





『……ごめんね』




「うん、いいよ。




…何て、俺は言えるよ」




戯けた様に笑いながらコーヒーを口に運ぶ成音は、昔から変わっていない。







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