SKYBlue
☆入学式☆



「ともか〜!早くしないと遅刻しちゃうよ?」

「今行く〜!」


大きな門が開く。


「お嬢様、お気をつけて」


白いお髭が特徴の大平さん。
私が小さい時からのお世話係。


「いってきます!」


心配そうに見送る大平さん。
今日始めて歩いて学校に登校する。


「よしっ!行こうかっ!」


幼馴染の優香(ゆか)。
小さい時からずっと側にいてくれている。
優香の家はちょっと離れたところにあるアパート。
私の家は学校までの通り道なので迎えに来てもらった。


「疲れたら言ってね?」

「まだ大丈夫だよ!それに学校はすぐそこじゃん!」

「そうだけどさあ〜…」

「大丈夫!」

「うん…」


2人で並んで歩いていると後ろから声がした。


「ともか〜!」


振り返ると隆平(りゅうへい)が勢いよく走ってきた。


「おはよ〜!今日から徒歩だろ?俺も一緒に行くよ!」

「ダメよ!私とともかで学校に行くから!」

「じゃ〜俺とともかで学校行こうぜ!」


隆平はともかの腕を掴んだ。


「ちょっと!ともかに触らないで!」


優香も私の腕を掴んだ。


「おいっ!離せよ!」


引っ張り合う2人。


「ちょ…ちょっと2人共、痛いんだけど…」


私の声は2人には届かなかった。


「離せ!」

「いやよ!あんたこそ離して!」

「もう!1人で行く!」


2人の手を無理矢理離して先を歩いた。


「「ともかっ!」」


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