SKYBlue



全員の名前を読み終わった。


「それでは今後の計画を話します。…」


先生の話によると、12時から入学式があるらしい。
それまでに会長、副会長、書記、会計を決める。
そして、係りを決める。


「それでは会長と副会長を決めたいと思います。立候補する人は?」

「…」


誰も何も言わない。


「それではクジで決めたいと思います。」


先生は箱の中に紙を入れた。


「紙の中にハートが書いてあって赤だったら会長、黒いハートだったら副会長ね!」


廊下側から箱が回された。


私のところに回ってきた時にはクジが2枚あった。
箱の中に手を入れようとすると後ろから手が伸びてきて箱の中に入っていった。


「ちょっと!」


壮太くんが1枚の紙をぴらぴらさせている。
私は最後の1枚を引いた。


「残り物には福がある」


小さい声で言う壮太くん。


「それではハートが書いてあった人〜!」


先生は元気に手を上げて目をキラキラさせている。


「はい…」


優香が手を上げた。


「やばい…」

壮太くんがつぶやいた。


「もう1人は?」

「はい」


壮太くんが手を上げた。
て事は、優香と壮太くんが会長と副会長。


「どっちが赤?」

「俺です…」

「私は黒です。」


壮太くんが会長で優香が副会長。
壮太くんが会長って変な感じがする。
優香は昔からしっかり者でこういうのには向いていると思う。


「クジを回収します!次は、書記と会計を決めたいと思います!後ろから前にクジを回してください!」


全部クジを集めた。


「それでは会長と副会長以外で書記と会計をしたい人いますか?」


私は無意識に優香をみた。
すると優香がお願いのポーズをしていた。
そして口パクで「やって!」と言っている。
大切な友達の頼み!
私は勢いよく手を上げた。


「何?」


先生は怖い目つきで私をみた。


「あの…書記をしたいです…」


小学校の時に一回だけやったことがある。


「えっ?」

「ともかさんが書記をやりたいそうです」

「あっ!そうなの?じゃ〜お願いするわ!」


先生は私が嫌いみたい。



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