ラッキーアイテム


「こんくらいで嫌いになるんなら、
もうとっくに別れてるってーの」


「でも、理人くん、怒って……」


「あれは、お前が申し訳なさそーな顔してたからだよ。

久しぶりの、ほら、デートなのに。
楽しくないじゃん。





お前は遅刻しようが失敗しようが、
ヘラヘラしてりゃいいんだよ」




フォローは俺がするんだから。




そう言いたげだった。

さすがに自惚れかなぁ。

理人くんの顔は真っ赤だった。



「ほら、行こうぜ。

映画は話せないからやめよう。

どこがいい?」



「うん、ブラブラしながら決めたい」


手を繋いだ。
温かかった。







前言撤回。
今日は最悪の日です、なんて誰が言った?

今日も私のラッキーパーソンのおかげで、最高の日になりました。
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