bloody mary

見下していた菜々の変貌を認めたくない女子高生たちが、見出だした希望に縋るように問う。


「ハっ 親戚だ?
そんなチンケな関係に見えンの?」


菜々が口を開く前に、マリーが鼻で笑いながら答えた。

菜々の頭にあった大きな手を彼女の頬に滑らせ、親指で桜色の唇をなぞる。
そして身を屈めて菜々の耳朶に口を寄せ、マリーは艶かしく囁いた。


「菜々、このブス共に教えてやれ。
おまえはダレのモンだ?」


またも暴言混じりとはいえ、その官能的な仕草と言葉に高校生たちは赤くなった。

菜々など、見事に完熟トマト。
それでも拳を握りしめて、触れられて熱を持った唇を開く。


「マ… マリーさんの…デスっ」


「よし。」


絶望と屈辱に歪んだ女子高生の顔を見て満足そうに口角を上げたマリーは、菜々から手を離して不遜に言い放った。


「まだ子ブタ共みてぇだから、今回は許す。
だが、次に俺のモンに手ぇ出してみろ…
余裕で殺す。」


『コロス』とか…

シャレだろ?

友達同士の会話でも、たまに混ざる単語ダヨネ?

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