bloody mary

苦笑いを浮かべたマリーが、少女の頭を軽く小突く。


「バっカ、足代だ。
もう遅いからタクシー拾え。」


「はぁ?
そんなん貰えないよ。
それに、この服だってオニーサンが」


「ソレは脱いで、ドッカに捨てて帰れ。
親が心配すンだろ。」


「…」


黙り込んだ少女が、再び数枚の諭吉に視線を向ける。

全く、変な人だ。

援交押し売りの女子高生にポンと50万も出して。

ナニもシないで、逆に助けてくれて。

帰りの心配や、親の心配の心配までしてくれる。

ん?
なんかややこしいな。

『心配』ばっかで。

そもそも、ソレがおかしい。

家族が心配するのは当然だろうケド、なんでこの人が『心配』するンだろう。

全く、本当に変な人だ…

少女のその思いは、そのまま素直に口から出た。


「変な人。」


「あ?」


素直って、時に失礼デスネ。

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