bloody mary
「よせっ!!」
大声を上げたマリーが、開きかけたドアを豪快に蹴り飛ばして閉じた。
同時にアンジェラの腕を掴んで引き寄せ、再び床に押し倒す。
訳もわからずされるがままのアンジェラの上にマリーが身体ごと覆い被さったその瞬間…
ドゴォン!!
爆発音が部屋を揺るがした。
折り重なって倒れる二人が顔を上げると…
中央に走る亀裂。
外側からの衝撃による歪み。
無垢材の一枚板で出来た丈夫なはずの室内ドアが、見事に破壊されていた。
「‥‥‥
え… な…???」
「菜々だよ。」
マリーは茫然自失のアンジェラを助け起こした。
「おまえ、菜々の罠はカワイイなんて言ってたケド、ありゃ間違いだ。
本気になったアイツは、まじでコエぇゾ。」
「‥‥‥‥‥」
アンジェラは無言で立ち上がった。
ノロノロと歩いてベッドに辿り着くと、両足を揃えてチョコンと腰を降ろす。
「…ココで待ってる。
迎えにきてね、マリー。」
…賢い選択だと思うよ。