月灯りに照らされて
「陽菜、ちょっと、俺達は、外に出よう。病院にも迷惑がかかる。」

「ちょ・ちょっと、私は、言い足りないのよ!ちょっと」

三枝さんに引きずられるように、女性は病室を出た。

「先生、すみませんが、彼女を個室に移してください。
 そして、病院で掛かった費用は、全て橘で持ちますので
 橘に請求してください。」

「解りました。部屋も至急用意しましょう。」

先生が部屋から出て行くと、

「麗華、悪いが、君も出て行ってくれないか!」

「でも・・・・」

「出て行けって言ってんだよ!」

「麗華さん、自宅まで送りますので、行きましょう」

私は、薫さんに怒鳴られたショックを隠し切れず、工藤さんの
言葉に従った・・・・。

薫さんのあんな怖い顔を、初めて見た。

小鳥遊さんて、もしかして元カノ?なのかな・・・・グスン・・・

工藤さんに連れられて、駐車場に行くと、三枝さんと先ほどの女性が
話をしていた。

彼女は、泣いていた・・・・。
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