月灯りに照らされて
「翠、翠・・・」

薫の声で翠が意識を取り戻した。

「薫・・・」

「翠、お腹がすいた・・・・」

薫の言葉に、苦笑いしながら

「今、すぐに支度するね。シャワー浴びて来て・・・」

「うん、そうする。」

薫は、シャワーを浴びに、翠は朝食の支度に取り掛かった。

「「いただきます」」

「やっぱり、翠のご飯が一番美味しい!」と、昨日の薫が嘘のように
元気で、ちゃんと食べてくれた。

「翠、マンションの出入り、裏口があるから、そっちから出入りして
 くれる。川崎さんから、管理人さんに話は通してあるから。」

そう言いながら、薫の表情は、また暗くなって行き、
そんな、薫の不安を、少しでも和らげる為に、翠は、

「うん、わかったわ。もー心配しないで、どこにも行かないから
 大丈夫よ。今夜は、何が食べたい?毎日、選挙に向けて大変でしょ。
 なんなら、明日から、お弁当も作ろうか?」

「えっ、いいの?」

「うん、何人分あればいいの?」

「4人分。俺に、川崎さんに、翼に一樹の4人で・・」

「了解。私には、そのくらいしか出来ないから、じゃー明日からね」

「やったー、楽しみにしてる。」


ピンポーン ♪

「あっ、川崎さんだ!行って来るね、翠、愛してるよ」

チュッと、軽くキスをして、薫は仕事に向かった。
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