月灯りに照らされて
side 翠

薫のお父さんからの電話のあと、薫の様子を見ている限り
縁談の話は、まだ出ていないようだ。

縁談の話が出れば、必ず分かる。そこまで、私は薫の状態を
見ることが出来るようになっていた。

精神的に参っている時、肉体的に参っている時、薫の状態を見ながら
、私は、食事のメニューを考えて、少しでも
元気になるような状態に持って行くことに最近は、快感を
覚え始めている。

その日は、薫のお父さんの電話から一か月程たった日だった。

お父さんと食事に行くから、ご飯がいらないと連絡があり
直感で、今日だ!と、思った。

「ただいま・・・・」帰って来た。やはり声の様子から可笑しい

「おかえりなさい。お風呂に入ったら?」

「・・・・・」突然、薫が抱きつき、キスをしてきた。

「ど・う・した・・の?か・・・・・あん・・・・・

キスは激しさを増し、私はその場で崩れそうになった・・・。

そんな私を抱きかかえ

「ちょ・ちょっと薫、どうしたの?ねぇー薫?」

「黙ってて!今、ものすごく、翠が欲しいの!」

私をベットに降ろすと、すぐさま自分の服を脱ぎ棄て、私の
パジャマにも手をかけた・・・・。

「あん・・・・か・・お・・・る・・・・あっ・・・・」

激しいキスの合間に、指は、私の一番感じる場所を刺激し、
そのキスも、胸の頂を今度は舐めたり、吸ったりしながら
私の躰を刺激する・・・・・

「あん・・・どうし・・たの・・薫?・・」

「翠、俺には翠だけだ。愛してる。翠・・・」

薫の切羽詰まった声が、やけに響いた・・・。
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