エリート外科医の甘い独占愛

「こんなタイミングで言うべきじゃないかもしれませんが、聞いてくれますか」

私は戸惑いながらも頷いた。

「はい」

「野島さん、あなたが好きです。僕と付き合ってくれませんか」


私は驚きながらも、どこか冷静に伊崎先生の告白を受け止めていた。

それは、伊崎先生がいつも、私に寄せてくれる優しい言葉や態度から、何となく自分への好意に気が付いていたから。

自惚れなんかじゃない。

いつも思うのは、隠し事が出来ない人だってこと。

そして、恋愛に不器用な人なんじゃないかってことだ。

今の告白も、ありふれたフレーズだったけれど、伊崎先生らしい、飾らない真っ直ぐな言葉だった。

そんな伊崎先生の事が、スキだなと思った。

こんな不器用な告白も、いとおしく感じる。

でも、このスキは恋や愛とは明らかに違う。


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