エリート外科医の甘い独占愛
「……いや、そんなはずないよな。あれは伊崎が機転を利かせて付いた嘘なんだよな、汐」
なのに、卓志の言葉に頷いてしまう自分そこにいた。
「そうか、よかった」
安堵の表情を浮かべる卓志の顔を見つめて、私は力なくほほ笑んだ。
「今夜、汐のアパートに行くよ」
「うん。でも、奥さんは」
「大丈夫、今日は症例検討会で遅くなるって言ってある」
そういって卓志は薬品庫を出て行った。
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