四ツ葉のクローバー
イケメンに目を付けられた

転校生

────『これあげる』
小さな男の子に何かを手渡された

ピピピピ…
「……ん」
目覚まし時計の機械的な音が部屋に響く。
何であの夢を見たんだろう…もう11年も前のことなのに。
あたしは宮本呉葉!
高校二年生の女の子です。特に可愛くはない。

いつものように学校に向かう。
今日は転校生が来るらしく教室がいつも以上に賑やかだ。
「おはよー!!呉葉!!」
あたしに飛び付いて来たのは大親友の夏生。
小学校からの付き合いなんだ。夏生はすっごく美人でモテモテなの。
でも朝からこのテンションにはついていけない…。
「おはよ夏生」
「呉葉、今日転校生がくるじゃん、その人めちゃくちゃイケメンなんだって!!」イケメン、か…。
前の彼氏と別れて完全フリーのあたし。
夏生はあたしに新しい恋を見つけてほしいみたい。
でも今は恋はしたくない。「そっか、仲良くなれるかな?」
どんな人か分からないけど仲良くは、なりたい。
転校生への興味だけが募る。
「呉葉ならなれるって」
夏生はあたしの肩をぽんっと叩いて自分の席に戻った。
そしていつもどうりホームルームが始まった。
「今日は転校生が着ます。皆さん仲良くして下さい。じゃあ入って」
優しい女の先生の声と重なるように扉が開いた。
うわっ
本当にイケメンだ……。
「廣崎海斗…です。よろしく」
でも目つきが怖い…。
って!!あたしの隣の席に来るんだよね!?
席空いてるし。
どうしよ、怖いよ。
「廣崎君は空いてる席に座って」
やっぱり…。
廣崎君はドカッと椅子に座った。
「ひ、廣崎君、よろしくね。あたし宮本呉葉」
緊張と恐怖で声が少し震える。
でも勇気を振り絞って声を掛けた。
「…よろしくな宮本」
!!!!!!!!
返事してくれた!!
怖いって思ってたけど優しい人なのかな。
その後廣崎君は机に伏せてしまった。

午前中の授業も終わって、今はお昼休み。
お弁当は夏生と食べて今は教室に居る。
すると急に隣から声がした。
「宮本、後でノート貸してくんね?」
さっきまで寝てたからか。別に断る理由もないし
「いいよ。後でかすね」
廣崎君の周りにはたくさんの男子がいた。
「廣崎〜もう呉葉ちゃんに目ぇ付けたのかよ」
へ!?
目付けられたの!?
あたしいじめの標的!?
「呉葉ちゃん結構人気あるから大変だよ」
やっぱり廣崎君って怖いよ!!
あたしは急いで教室を飛び出してトイレに駆け込んだ。
「呉葉ちゃんてば、超天然で超鈍感だからなぁ」
去り際に聞こえた会話も何が何だか…。
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