学童野球物語
　「全員集まって」

　佐々木先生が皆を集める。

　「今日からコーチとして練習を教えてくれる大島さんです」

　皆の目が大島さんにそそがれる。

　「大島です。君達の事は実は去年からずっと見てきました。
佐々木先生から1回戦突破が目標と聞いてましたが君達ならもっと上を目指せる。

私は君達にもっと野球を教えたいと思い佐々木先生にお願いして今日からコーチをやらせてもらうことになりました。よろしく」


　そう言うと大島さんはさっそく内野を守備につかせてノックをはじめた。

　
　そしてそのノックの質の高さに驚いた。緩いゴロなんてひとつもなく、完璧だと思われていた鉄平やモトでさえもボールをはじく場面が見られた。

　「すげー」

　実が口をあける。

　卓や陽介など他のメンバーはランナー役になりノックの打球とともにスタート。
　ランナー一塁を想定して一塁につかせてノックしたりと、今までない練習方法だった。



< 8 / 14 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop