LOVEless ~不倫~
「リョウちゃんには、1番に伝えたい(笑)」

「えっ!何、そのフリは!でも嬉しい」

照れて、くしゃって笑うリヨウちゃん。

この笑顔が私は好き。

「今更だけどリョウちゃんが言ってた事、やっと分かった気がする」

「何だっけ?」

「離婚する気もないのに始めた恋愛は
体の関係を持った瞬間から終わりへの
カウントダウンが始まっている。
だから幸せを感じる何倍も辛いと思うよって・・・」

「言ったね。そんな事」

「だから、ちょっと惹かれるその人と良い友達でいた方が、ずっとハッピーだと思うって。あれが、今頃身に染みてきた。
先がないどころか別れに向かってる2人に
満たされる想いも幸せもあるわけないんだよね・・・。
なのに気づかないで、そこには無い幸せを必死で探そうとして私、もがいてた」

「やっと、目が覚めたか(笑)これで樹生くんともケリつけれるね」

「うん。頑張ってみる」

「ヒロは?どうする気?」

「ヒロは・・・」

リョウちゃんの質問に答えようとしたその時

「向井さ~ん」

看護士さんに名前を呼ばれた。
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