夜桜と朧月
Ⅱ
「駄目っ…だよ!こ…んな……」
更に深く絡まってくる舌は、攻撃的じゃなくて、むしろ甘い。
ニットの裾から侵入してくる手は、ひんやりと冷たくて、少し鳥肌がたった。
胸を撫で回していた指が下着をずらし、妙な束縛感に恥辱を覚える。
声を出すまいと唇を噛み締めたら、また下唇を舐められ少し空いた隙間から、舌が咥内を蹂躙し始めた。
胸を攻める指は休むことなく、イイところを容赦なく弄んでいる。
楓とこういう行為をしたのが随分昔の話だ。
渇いていた私の心に火を点けるには充分な刺激。
楓に対しての疚しさは最早感じていない。
「や……だ…」
「真愛はさ、俺の事、どう思ってるの?」
薄らと額に汗を掻いたお義兄さんは、艶やかに光る瞳で私を見た。
「いい……旦那さ…んだと思っ…てた」
姉には優しくて。
でも。
とても、脆くて、弱い人なんだ。
「誰っで……も、い…いから、支えて……欲しい……の?」
泣きそうになりながら、執拗な愛撫に逆らう。
「誰でもじゃない。必要なのは……」
真愛だけ……
「……か…おる……」
耳元で囁かれたその言葉で、私は堕ちた――――――。
更に深く絡まってくる舌は、攻撃的じゃなくて、むしろ甘い。
ニットの裾から侵入してくる手は、ひんやりと冷たくて、少し鳥肌がたった。
胸を撫で回していた指が下着をずらし、妙な束縛感に恥辱を覚える。
声を出すまいと唇を噛み締めたら、また下唇を舐められ少し空いた隙間から、舌が咥内を蹂躙し始めた。
胸を攻める指は休むことなく、イイところを容赦なく弄んでいる。
楓とこういう行為をしたのが随分昔の話だ。
渇いていた私の心に火を点けるには充分な刺激。
楓に対しての疚しさは最早感じていない。
「や……だ…」
「真愛はさ、俺の事、どう思ってるの?」
薄らと額に汗を掻いたお義兄さんは、艶やかに光る瞳で私を見た。
「いい……旦那さ…んだと思っ…てた」
姉には優しくて。
でも。
とても、脆くて、弱い人なんだ。
「誰っで……も、い…いから、支えて……欲しい……の?」
泣きそうになりながら、執拗な愛撫に逆らう。
「誰でもじゃない。必要なのは……」
真愛だけ……
「……か…おる……」
耳元で囁かれたその言葉で、私は堕ちた――――――。