夜桜と朧月
上下する喉仏が扇情的で、艶かしい。


「なに?ヤりてーの?」


こちらを見てニヤっと笑う薫を涙目で睨み付けた。

「もう寝るもん!」

悔し紛れに近くにあったタオルを投げつけて、自分の布団に潜り込んだ。

「日曜日、午前中にお義父さんとこな」

含み笑いを浮かべた薫が、私の背中に向かって言った。

笑わなくてもいいじゃない!!



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