おうちにかえろう





「みつきちゃん今日も可愛いね~!」


「ありがとにゃん。嬉しいにゃあ~」


「相変わらず気持ちこもってないな~!今日こそパンツ見せてもらっていい?」


「3名様ご案にゃーい」


「無視かー!逆に清々しいなー!」



ガハハ、と笑った常連さんを、座敷に通してから、ドリンクを作るために裏に回った。


作ると言っても生3つ。


ジョッキに注げば完成なんだけど。





「檜山くん?どう?仕事慣れてきた?」


「あ、店長…お陰さまで、大分慣れました…にゃん」


「いや、俺にはにゃんにゃん言わなくていいからね」



31歳独身の店長の笑顔は、明らかに引き攣っていた。


いや、にゃんにゃん言うの慣れないものだから、普段から馴らしていこうと…





「檜山くんのキャラ好評なんだよ!君みたいにドライなキャラの子、今までうちの店にいなかったからね」


「嬉しいにゃあ。ありがとにゃん」


「そのぶれない感じにやる気を感じるな~」




ワハハハと、笑われてしまったので、にゃははは、と返してみた。



キャラというか…素なんですけどね。


他の皆さんは、ネコ耳を最大限に活かしたキャラで接客されているのだけど、私はどうも…


先輩に指導してもらったけれど、今のこれが限界でした。


一部マニアには認めてもらえたようで、よかったです。





「美月ちゃーん!」




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