おうちにかえろう
ビールを運び終わった直後、先輩から名前を呼ばれた。
私を指導してくれた、優しくて可愛い先輩だ。
猫耳と、にゃんにゃん語がよく似合う。
「なんか、美月ちゃん呼んでって人が来たんだけど…」
「え?」
「何か普通にカッコイイ人だったし、怪しくもなさそうだったから分かりましたって言って来ちゃった。スーツ着てたよー」
私?
何だろう。
カッコイイ人…知り合いに、カッコイイ人なんていたかな…
「ねこじゃらしの間に通したから、とりあえず行ってみてくれる?」
「分かりました、行ってきます…にゃん」
「徹底してるね美月ちゃん…見習わないといけないな…」
先輩に軽く会釈をして、ねこじゃらしの間へと急いだ。
誰だろう一体。
私に何の用だろう。
「あー、来た来た!」