善いヴィッチ
田中さんは似た者同士です
チリドッグにガブリとかぶりつき、ご満悦。

「いいね素晴らしいねモ○のチリドッグは、やっぱ安心のクオリティだね」

田中はそう言って眼鏡の下で目を細める。

「そんな違うもんかね」

「そうさなぁ、チリドッグは他の店舗でもあるけど、それでも量や香りの点で評価するね」

「へぇ…」

俺は頬杖つきながら、その話を聞いていた。

田中は二十歳の大学生。

俺は見かけは若く見られるとはいえ、もうアラフォーすら過ぎた親父。

普通なら接点はないのだが、ある掲示板で共通の趣味の話で盛り上がっているうちに、意気投合してLINEでやり取りするようになり、とうとうこうして会って話をするようになった。

その共通の趣味というのが…。

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