書記事情
書記になりました
私は今日生徒会の書記になりました。
理由は私が知りたいです。
さて、なぜ私がこんなことになったのでしょう。
話は3日前に遡ります。


それは昼休みでした。
私は友達と教室に向かっていました。
あと数分で昼休みが終わりそうだったので。
少し長い廊下を2人で駄弁りながら歩いていた。

「次なんだっけ?」
「数学だった気が」
「えー・・・マジかよー・・・」

少し落ち込んでいる彼女は
木之本 詠歌(キノモト エイカ)。
艶やかな長い黒髪をゴムで束ねた綺麗系女子。
男子からの人気も高い。

「涙はいいよねー、数学得意で」
「得意ってほど得意じゃないけど」

そんな私、神裂 涙(カミサキ ナミダ)。
極々普通の女子高校生、2年生だよ。
茶髪の癖毛、癖毛だから!断じて天然パーマではない。
毎回名前で驚かれる私。涙だしね・・・・。
まあ自己紹介はここらへんにしておこう。
私と詠歌は教室に戻ろうと歩いていた。
あと少しで昼休みが終わるチャイムが鳴るから。

「あっ・・・やばっ、私先公に呼ばれてたんだ」
「先生を先公と呼ばない」
「いいじゃん別に・・・またあとで!」

果たして詠歌はこんなギリギリにに思い出したのか。
そして間に合うのか。
詠歌は私から離れて走って行った。
職員室の方向に走っていく限りは本当の話なのだろう。
私は詠歌に手を振ってその場から歩き出した。
このまま教室に向かうはずだったが・・・。
丁度曲がり角を曲がろうとしたとき誰かにぶつかった。
なにこの超ラブコメ展開!?
私少年漫画派なんだけど?

「うわっ!」
「きゃっ・・・・」

何か私でも気持ち悪い声がでたんですけど?
私が自分の声のことを恥ずかしんでいると
上から声が聞こえた。・・・上から?
顔を上げると彼の顔。わーおイッケメーン。
てかこの状況を私にどうしろと?
昼ドラの事情みたいっていうか・・・
少女漫画の王道っていうか・・・。
私にはおいしい展開というか・・・。
簡単に言うと押し倒されているみたいな・・・。

「君、名前は?」
「この状況でそれ聞きますか?」

私のツッコミは正しいと思う。
それを無視するかのように彼は話し続ける。

「俺、槇村 紀一、お前は?」
「はあ・・・・」

私は彼に向かって曖昧な答えを吐いた。
槇村 紀一(マキムラ キイチ)。どこかで聞いた名だ。
思い出せないけど・・・。
赤い2本のヘアピンをバツのように付けていて
金髪に近い色で前髪が少し上に上がっている人。
ていうか・・・・。

「どいていただけません?」

まだこの状態のままだった。
何故退いてくれないんだ。

「あ?ああ・・・・」
「今気づいたの!?」
「いいだろ、別に」
「ダメだよ!絵面的に!」

誰かが通ったらどうするんだ!
私の面目丸つぶれたよっ!
そんなことを思っていた時・・・
チャイムが鳴った。
私は授業に遅れたのだ。ショック・・・。

「あーあー、鳴っちゃった・・・」
「貴方のせいですよ?」
「は?・・・・・まあな」

なるほど・・・悪気はあるらしい。
ならどいてくれればいいのに。
彼は私から退くと私に向かって手を差し伸べた。
優しいんだな・・・だけど退くのおせぇ。
私は彼の手を取り腰を浮かせた。

「ありがとうございます」
「・・・名前、教えてくれない?」

まだ引きずるかこの野郎。
完全に立つと私はその問いに答えた。
どうせもう授業に入れないし。

「神裂 涙です」
「変な名前だな、名付け親のセンスを疑う」
「アンタ初対面で失礼すぎません?」

まさか初対面の人に両親のセンスを疑われるとは。
私はいい名前だって思ってるんだけどな~。
やっぱ万人受けしないよね・・・。

「学年は?」
「えっ・・・2年です」
「クラスは?」
「3組・・・っていう必要あります?」
「大有り」

大事な個人情報だが仕方ない。
先輩には話さなければな、先輩だって確証ないけど。

「あ・・・そろそろ俺、戻らなきゃ」
「私もです、では」

私は教室まで全力疾走した。
遅れているのは分かっているが罪悪感が・・・。
私はバンッと教室の扉を開けた。
瞬間に運動部の数学教師からチョークのプレゼント。
音速のような速さで私の顔面めがけて飛んできた。
私は棚に置いてある教科書を1冊取ってチョークを打ち返す。

「写真部で鍛え上げられた動体視力を舐めるな」
「チッ・・・神裂、座れ」
「うーっす」

数学の時間、生徒は急がなくてはならない。
理由はチョークが高速で顔面に飛んでくるから。
いままで何人もの人間が餌食になったことか。
私は席に座る際皆にガッツポーズ貰いました。



そう・・・これが私の3日前。
どこで間違った?それはみなさんわかるでしょう。
槇村紀一にあったことです。
そこから、私の一生分の出来事を8ヶ月で終わらす出来事が
度重なって起こるのです。
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