吸血鬼は淫らな舞台を見る
しばらくするとチャイムが鳴り、倉成はドアスコープを覗いて確認すると相手を部屋に入れた。
「遅いぞ」
倉成が顔を見るなり不満をもらした相手は宮路晋吾。
彼は暗い表情で中へ入る。
「お金は用意できたか?」
倉成がピアノ線くらいに目を細めて訊く。
「もう少し待ってくれ」
宮路は頭を下げて懇願した。
「またかよ!」
罵った倉成は転がっていたゴミを蹴飛ばす。
「すまない」
宮路の謝り方からすると、よほどの弱みを握られているらしい。