吸血鬼は淫らな舞台を見る
男が尻餅をつきながら廊下を右から左へ後ずさりしていく。
横顔から宮路晋吾と判断できた。
なにに怯えているんだ?
銃を構える手に力が入る。
「最近すぐ喉が渇いちゃうのよ」
あっけらかんとした口調で現れたのは由貴だった。
目を吊り上げ、冷淡な笑みを浮かべている。
宮路家の玄関のドアが開いた瞬間の清らかなイメージとはガラリと印象が違う。
宮路晋吾を追い詰めるように歩を進める女性は、性格がまったく違う双子の片割れなのではと思うほど。