吸血鬼は淫らな舞台を見る


「ご心配なく。証拠はなくても犯人は逮捕できます」

 象牙のように白い顔で微笑まれたとき、妙に説得力を感じたサトウは原田へ車を回すように命じた。


 そのとき、原田の携帯が鳴った。


「……はい」

 原田はひと言だけ返事をすると携帯を閉じた。

「たったいま息を引き取ったそうです」


「そうか」

 サトウは静かに返事をかえしたが、心の中では“この疫病神め!”と瑠諏を罵っていた。
< 50 / 421 >

この作品をシェア

pagetop