あたしのトナリ。
あたしが働く「noir et blanc」(ノワール・エ・ブラン)は10代の中高生からOLさんまで人気のある、ギャル系とコンサバを両方取り扱うアパレルショップ。と言っても、どちらかと言えばギャル系に重きを置いていて全国どこの店舗を見ても、店員さんは大体ギャルちっくだ。
正直、あたしは全然見た目ギャルじゃない。
慧子さんのように金髪でいつも丁寧に髪を巻いていて、雑誌でモデルさんがつけているようなつけまつげをつけて睫毛はいつもバサバサ、ってわけじゃない。
髪が傷むって言うからブリーチする気になれなくて中途半端な茶髪。髪はいつだってストレートのままで、つけまはなるべく自然なものを目尻につけるだけ。化粧も他のスタッフたちに比べると少し薄め。
だからかギャル系のお洋服の中でもブルーのストライプワンピだとか、パールのアクセだとか、清楚な感じのものを着ることが多くてセクシーなお洋服を着こなす慧子さんとか、いわゆる姫系のお洋服を着ている由香里さんたちの横に立つと、どうしても見劣りしてしまう。
じゃあなんでこんなギャルショップで働こうとしたのか、って……
理由は色々あるけど、一番大きいのは高校生の時、まだ地味だった頃。はじめて渋谷でここのお洋服を見たとき「絶対これが似合う女になってやる!」と思ったのがきっかけ。元々アパレルをやりたかった、っていうのも手伝って卒業後バイトの面接を受けて、見事採用されて池袋の商業施設にある店舗へ配属が決まった。
ところが入ってみれば先輩も同期も、ついでにお客様もみんなギャル、ギャル、ギャル……ギャルがゲシュタルト崩壊しそうなくらいギャルだらけ。あたしがどれだけ背伸びして派手な恰好をしても、彼女たちに比べると無理矢理背伸びをしてるのが丸わかりになってしまう。
出勤初日から向いてないかな、やっぱ無理だったかな、やめよっかな……なんて思うあたしに声をかけてきて下さったのが、店長の宮地さんだった。
「うちのお店は確かに派手めな服が多いけど、大人しい感じの服もたくさんあるんだ。それに高橋さんみたいな外見の人が苦手、って言うお客様もいらっしゃるから、桜井さんみたいな人も必要なんだよ」
柔らかい笑顔であたしに微笑みかけて、店長はそう言ってくれた。
その瞬間からあたしはこの人のところで頑張っていこう、と決めた。それと同時に店長に、宮地さんに恋をした。
正直、あたしは全然見た目ギャルじゃない。
慧子さんのように金髪でいつも丁寧に髪を巻いていて、雑誌でモデルさんがつけているようなつけまつげをつけて睫毛はいつもバサバサ、ってわけじゃない。
髪が傷むって言うからブリーチする気になれなくて中途半端な茶髪。髪はいつだってストレートのままで、つけまはなるべく自然なものを目尻につけるだけ。化粧も他のスタッフたちに比べると少し薄め。
だからかギャル系のお洋服の中でもブルーのストライプワンピだとか、パールのアクセだとか、清楚な感じのものを着ることが多くてセクシーなお洋服を着こなす慧子さんとか、いわゆる姫系のお洋服を着ている由香里さんたちの横に立つと、どうしても見劣りしてしまう。
じゃあなんでこんなギャルショップで働こうとしたのか、って……
理由は色々あるけど、一番大きいのは高校生の時、まだ地味だった頃。はじめて渋谷でここのお洋服を見たとき「絶対これが似合う女になってやる!」と思ったのがきっかけ。元々アパレルをやりたかった、っていうのも手伝って卒業後バイトの面接を受けて、見事採用されて池袋の商業施設にある店舗へ配属が決まった。
ところが入ってみれば先輩も同期も、ついでにお客様もみんなギャル、ギャル、ギャル……ギャルがゲシュタルト崩壊しそうなくらいギャルだらけ。あたしがどれだけ背伸びして派手な恰好をしても、彼女たちに比べると無理矢理背伸びをしてるのが丸わかりになってしまう。
出勤初日から向いてないかな、やっぱ無理だったかな、やめよっかな……なんて思うあたしに声をかけてきて下さったのが、店長の宮地さんだった。
「うちのお店は確かに派手めな服が多いけど、大人しい感じの服もたくさんあるんだ。それに高橋さんみたいな外見の人が苦手、って言うお客様もいらっしゃるから、桜井さんみたいな人も必要なんだよ」
柔らかい笑顔であたしに微笑みかけて、店長はそう言ってくれた。
その瞬間からあたしはこの人のところで頑張っていこう、と決めた。それと同時に店長に、宮地さんに恋をした。