あの頃…

閑話

三橋彩良の体調は良好で順調に退院へと進んでいた

看護学校の方もさほど遅れることなく復学出来そうだ

「じゃあ、何かあったらいつでも黒崎病院に来てね」

受付のお姉さんに彩良ちゃんが来たらいつ何時でも通してくれるように頼んでおくから

「あ、あといくら手術がうまく言ったからって無理は禁物。遅れた分の勉強はペースを考えて取り戻すこと」

それからそれから

「彩良ちゃんかわいいから変な男に気を付けること」

近寄ってくる男には警戒心を示すこと

「それと……」

「立花先生心配性」

温かな日差しが降り注ぐ中、彩良の快活な笑い声が響く

「あと少しでここから離れるくせによく言う」

冷静なつっこみは15センチほど上から

「黒崎先生は心配じゃないんですか!!」

きっと睨み付ければ、静かな瞳が一瞬向けられる

「少なくとも立花より三橋の方が落ち着いてて目を離しても心配いらないと思ってる」

「あ!!それ!!どういうことですか!!」

遠回しにまた人のことをばかにしてますね!?
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