セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
私物をブリーフケースに詰め込み、執務室を出て…藤村部長の執務室を訊ねた。




「お世話になりました…藤村部長…」



「…潔く…退職とはな…」




「…会社の為です…藤村部長…お元気で…」



「…あの美容液の資料…お前の名前で親父に提出した…今度の全体会議で商品化を検討する予定だ」



「ありがとうございます…」



俺の過去を知る藤村部長には散々な目に遭わされた。


藤村部長が社内に噂を流さなければ…退職せずに済んだのに。



でも、もう…過ぎた話。




「失礼します…」




俺は振り返るコトなく、社屋を出て行った。


俺は杏と理沙ちゃんの為に新たな道を歩いていくーーー・・・












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