セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
「うるせぇ!!」



前夫は俺の言葉に逆切れして殴って来た。



俺は殴られた拍子にその場に尻餅を付く。




「殴り返して来いよ!!」



前夫は俺を挑発する。
殴り返した所で余計にヤツを逆上させるだけ。
暴力に暴力で対抗するのは俺の遣り方じゃない。


でも、殴り返して来ない俺に痺れを切らして更にもう一発殴った。




殴られた際に口内を切ったのか血の錆びたような味が広がる。




「おいっ!?やられっぱなしで悔しくないのか?」




「…俺を気が済むまで殴ればいい。その代り二度と…杏と理沙の前に現れるな!!」




「はぁ?」




「…杏は俺の妻で理沙は俺の子供だ!!」



折角手に入れた幸せを壊されたくない!!



「カッコつけやがって…ウザいんだよ!!」


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